五十肩・四十肩の鍼治療
五十肩の夜間痛なら、
鍼1回の治療でも痛みが半減します。
夜間痛が半減すれば、
五十肩の痛みもずいぶんと楽になります。
慢性的な四十肩・五十肩の
治療回数の目安は60分の鍼で8〜12回です。
完治するか、
日常生活に支障のないレベルまで回復します。
五十肩の初期症状は、
頚が原因です。
そこで、
基本刺鍼の頸部刺鍼が中心になります。
寝違いや頚椎症の治療と基本的には同じで、
大椎周りの筋肉を主に解していきます。
五十肩は主に3つのパターンとそれぞれの治療法に分かれます。
①棘上筋・三角筋型
腕を水平に挙げると痛む。
肩を水平に上げたまま、下へ押すように抵抗を加えると肩関節が痛む。
【治療方法】
棘上筋・三角筋型への鍼
1.横向きに寝かせる
2.肩甲骨と鎖骨の間(肩井や巨骨のあたり)から
10番3寸を3本、上腕骨頭へ向けて刺入
3.頚夾脊穴へ刺鍼
4.前中後斜角筋に刺鍼
5.肩甲挙筋へ刺鍼
6.腋から肩甲下筋へ10番3寸を刺鍼
7.三角筋へ刺鍼(3つのラインから下に拝刺)
②棘下筋・肩甲挙筋型
手で反対側の肩を掴むとき痛む
【治療方法】
棘下筋・肩甲挙筋型への鍼
・原則として肩甲骨内縁の肩甲挙筋へは刺鍼しない。気胸の恐れがあるから
・肩甲棘の下に合わせ、内縁から肩甲棘へ向けて4センチ間隔で斜刺
・天宗あたりからも肩甲棘へむけて斜刺
・肩関節付近も肩峰へむけて斜刺
・肩甲骨外縁から天宗へむけて斜刺
・こうして棘下筋、小円筋、大円筋へ刺鍼
③肩甲下筋・烏口椀筋型
腕を後ろへ引くような動作で痛む
シートベルトや後ろで紐を結ぶときに痛む
【治療方法】
肩甲下筋・烏口椀筋型への鍼
・患者さんを側臥位にします
・胸郭との境目から3センチぐらい外へ
10番3寸を3本直刺します(肩甲下筋)
・下側から上腕二頭筋と上腕骨の間へ横刺で刺入します。
2寸3番位を使います(烏口椀筋)
・上腕の上半分位まで刺入する
指先や手の異常は、
前斜角筋、肩甲下筋、烏口椀筋、上腕筋、前腕の筋肉が硬いためにおこります。
その中でも特に重要なのは、
大椎周りの夾脊穴を緩めることです。