ヘッダー画像

顎関節症(症例報告)

症例報告②

顎関節症

 

中学三年生の頃から顎関節症を患う。

 

開口動作で顎関節に制限がかかり、

口がうまく開かない。

 

無理に開けようとすると痛みを誘発。

特に右顎の痛みが顕著に現れる。

咀嚼筋を中心に鍼を施して、

8回目で時間が経過しても、

ほぼ痛みが出なくなるくらいまで改善した。

 

【症例】

30歳 女性

 

【初診】

平成27年11月6日 

 

【主訴】顎関節症

 

【現病歴】

初診時数週間前から痛みが強くなって、

口がうまく開けることが困難になっていた。

 

歯医者に通うも、特に改善はみられず。

歯医者で歯の治療をしたいが、

口が思うように開けれないので、

なんとか鍼灸で改善できないかと来院された。

 

【身体所見】

開口するのが困難ということで、

開口筋の拮抗筋である、

咬筋、外側翼突筋(上頭)、

内側翼突筋、側頭筋の緊張を疑う。

 

右の咬筋や外側翼突筋周辺には

あきらかに筋緊張が見受けられた。

 

【見立】

顎関節周辺の筋肉群が拘縮しており、

それが開口障害に影響していると推察。

 

咀嚼する筋肉の中で、

特に咬筋と外側翼突筋の圧痛が

明らかであったため、

それらの筋肉が開口制限に

影響を及ぼしていると判断。

 

【対応】

咬筋、外側翼突筋(上頭)、内側翼突筋、側頭筋

及び、顎二腹筋にも刺鍼する。

 

美容鍼と一緒に受けたいと希望されたので、

咀嚼筋+表情筋にも毎回鍼を施す。

 

【経過】

1回目の施術が終わった後から効果はでていた。

回数を重ねるごとに口が開きやすくなると同時に、

痛みが軽減して良くなっているのを実感するとのこと。

6回目の辺りで特に改善を感じた。

 

【考察】

クラインアントは鍼のズーン

とした得気が苦手だった。

 

そのためはじめは1番鍼(寸6)、

慣れてきたら2番鍼(寸6)で対応した。

 

顎関節症のクライアントを対応したのは2015年だが、

今思えばもう少し手際よく回復を

早めることができたように思う。

 

中学3年生の頃からの発症ということで、

経過が長いことも治療が長期化した

原因になったかもしれない。

 

顎関節症を伴う方は、

歯の噛み締める癖があることがしばしばである。

 

本人の自覚以外のところ(睡眠時)で

起こり得るので意識的に改善するのが

なかなか難しいところでもある。

 

これまで診させてもらった中で、

マウスピースをつけても、

夜間の噛み締めでマウスピースを

破壊してしまうツワモノもいた。

 

噛み締め癖を踏まえても

大幅な改善の効果は十分に

期待できるので、

鍼の適応症といえそうである。